2012年7月17日火曜日

満足感を高めな食事

乗客にとって楽しみな食事も、サービスするエアラインにとっては制約が多く苦労する課題だ。最大の制約は、十分な火力を使えないこと。

飛行機の中では裸火は使用できないので、電気で加熱しなければならない。電気は、短時間で大人数の食事を温めるのには適していないエネルギーである。しかも、調理してからサービスするまでの時間が長いため、一度火を入れた食材を温め直すことになる。

かつての飛行機は十分なスペースを確保できなかったため、食器類の簡素化も切実な課題になっていた。したがって、一枚のプラスチックトレーに前菜からデザートまでを詰め込んだお仕着せのメニューが主流を占めていた。食器とナイフとフォークにもプラスチックを使用し、メニューの選択の幅はビーフかチキン程度のものだった。

ところが、最近ではサービス競争のお陰で機内食の改善が進んでいる。ビジネスクラスでは、布製テーブルクロスに本物の陶器やガラス、ステンレスのナイフとフォークを使用し、給仕はオードブル、メインディッシュ、デザートの三回に分けて行われる。

選択は肉、シーフードなどニ-三種類に加えて、日本発着路線では和食も加わり、三-四種類に広かった。しかも、加熱設備の改良により、短時間で高い温度への加熱ができるようになったことから、味もよくなった。

エコノミークラスの改善も大幅なもので、アルコール類の飲料の無料化、ステンレス製のナイフとフォークの使用、和食メニューの採用、間食サービスなどが取り入れられている。事前予約が必要だが、菜食主義や健康食、宗教上の制約のある食事などの注文も、可能になっている。